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vol.10 表紙 2008 vol.10 春

2008年3月5日発売
定価802円(税込)

田舎の本屋さんで購入する
おばあちゃんに会いにいく

物を大事にする暮らしぶり、人や自然とのつきあい方、昔の食事や遊び…。
おばあちゃんのおしゃべりを聞き書きしました。

写真=富井昌弘、武藤奈緒美、今井聡志

写真1草摘みのおばあちゃん/鹿児島県霧島市 高崎スミさん (81歳)写真1-2
「ヨモギの種も煎じてね、捨てるもんはなかったね」

 「こういう田舎ですから、昔は野草はみんな薬にしたり食べたり。野ばらも食べました。花はミツバチがくるくらい甘いミツなんです」
 霧島山の麓で育った高崎スミさんは、昔ながらの草の食べ方や使い方、地元の歴史や伝説にくわしい。
 おばあちゃんおじいちゃんに育てられたスミさんは、生活の中で、ヨモギやヤマブドウなど野草の使い方を教えてもらった。病気やケガをしても村には医者がいなく、自分で体を手当てして治す知恵をみんな当たり前に持っていた時代だ。
 「『かわしょう』(セキショウ)っていう草があって、花が春になるとこの川に咲いたんです。かわしょうの根をたたいてそれにメリケン粉を入れて酢を入れて、布にはって傷につけてしばらくじっとしている。そうすると痛みがとれて熱がとれる。熱をとったあとは、かわしょうが紫色になるんです。そういうふうに代々伝えてきました」

旅館のおばあちゃん奈良県吉野郡天川村洞川温泉 柳谷禮子さん (80歳)「まかすっていうことは大事なことや。わししかできんと思ったらあかん」
金物店のおばあちゃん大阪府大阪市千日前道具屋筋商店街 柴田智恵子さん(85歳)「昔おろした鍋、そのまま使てますねん」
かつお節屋のおばあちゃん神奈川県小田原市籠常 4代目店主・石黒淑枝さん (84歳)「肝心なことは全部、昔の人に教わってきたの」
海女のおばあちゃん千葉県南房総市白浜町 早川美智子さん(81歳)、布富さくさん(83歳)「海女の仕事は、今考えてもつれえってことはなかったな」
それぞれのおばあちゃんのお話は、うかたまVOL.10で!