岐阜県郡上市名宝 里山の弁当の友

郡上市の中でも山深い名宝の里。
限られた食材を上手に活かす料理上手なお母さんたちに
里山の幸をたっぷり使った弁当のおかずを教えてもらいました。

写真=野口修二 文=編集部

自慢の味が詰まった弁当

自慢の味が詰まった弁当

 小さな器に盛られ、弁当の木箱に入った彩り豊かな料理。甘いもの、酸っぱいもの、煮物に揚げ物、野菜や芋、乾物、肉など、味も食感も違うおかずを前にどれから食べようか、目移りしてしまう。これは、明宝の民宿や旅館の女将のグループ、ビスターリマームのお母さんたちがつくった「里山まんま弁当」。この弁当は、1人ではつくれない。それぞれの女将が自慢のおかずを持ちより、詰め合わせて完成なのだ。
 地元で行なわれる季節ごとの山菜摘み、そば打ちなどの体験メニューに参加したお客さんをもてなすのもこの弁当。持ち寄りだから弁当一つでもいろいろな味が楽しめて、旬の味、地元の食材がたっぷりと評判も上々だ。
 岐阜県の中心に位置する明宝は海からも遠く、面積の9割は山林だ。田畑にできる土地は少ないけれど、その分、地域の豊かな自然から生まれるものを干したり塩漬けにしたりする、保存の知恵が昔から根付いている。弁当のおかずも同様。
 干しぜんまいは、春に山で摘んだものを丁寧にもんで干したもの。こんにゃくも自分の畑でとれた芋から手づくりする。切干大根も味噌も自家製だ。

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テーブルに並んだ持ち寄りのおかず。この日は大根の料理が多数そろった

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「これ、おいしい」「どうやってつくるの?」試食しながら料理の情報交換

ビスターリマームのお母さんたちの秘伝レシピは、うかたまvol.22で!