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vol.11 表紙 2008 vol.11 夏

2008年6月5日発売
定価802円(税込)

田舎の本屋さんで購入する
日振島のぶっかけめし

愛媛県と大分県の間、宇和海にぽっかり浮かぶ日振島(ひぶりじま)。
ここには、漁業で暮らす島ならではの昔から伝わるおいしい魚の食べ方があります。

写真:富井昌弘

いよめし

いよめし(2〜3人分)
 アジを三枚におろし(刺身でもよい)、食べやすい大きさに切る
 生卵2個、濃口醤油大さじ4、みりん大さじ2、酒大さじ2、昆布のだし汁大さじ
2〜4を混ぜあわせ、1を30分漬ける
 炊き立のご飯にたれごとかけて、せん切りの青じそ、ゆずの皮、炒った白ゴマをふっていただく。味は少し濃いめの方がおいしい

日振島の漁師のごはん

写真

日振島で養殖業を営む林周治さん、妙子さん夫婦

 アジの三枚おろしを、醤油だれと溶いた生卵に混ぜて、あつあつのご飯にかけるぶっかけめしは、日振島の漁師に伝わる郷土料理。島では"いよめし(魚のごはん)"と呼ばれている。甘辛のたれとアジの組み合わせが絶妙だ。
 もうひとつのぶっかけめしは焼いたアジをすって味噌とあわせたさつま。一尾一尾骨をとるのはちょっと大変だが、小さな魚も無駄なく食べられる。味は濃厚で、薬味とご飯と混ぜ合わせると香ばしくておいしい。
いよめしとさつまなら、炊き立てのご飯が何杯でも食べられる。

ハマチ一尾を食べつくす

写真

手前からハマチの味噌漬け、亀の手、アワビ、刺身、ハマチのたたき、ツワブキの佃煮など

 「ハマチが一尾あれば、お客ができる(人を招いてごちそうができる)」と妙子さんはいう。ハマチは養殖でも旬があり、水温が下がるとさらにおいしくなってくる。そんないい時期のハマチを林さんの家では、刺身、たたき、アラ煮、カマ焼き、あまったら味噌漬けにして保存と、残すことなく一尾丸まる食べきってしまう。
 日振島にはコンビニもファミレスもない。だから、毎日の食事もお客様へのおもてなし料理も島にある身近なものを使った、それぞれの家庭の手料理。「料理上手になるには人に食べてもらうのが一番」と、妙子さんもそうやって料理の腕をあげた。

日振島での暮らしぶりやさつまのレシピなど、つづきは、うかたまvol.11で!